新たな地質時代として「人新世(じんしんせい)」が加わろうとしている
2023年07月12日
国際学会「国際地質科学連合(IUGS)」の作業部会は,人類活動が地球環境に大きな影響を及ぼす時代「人新世(じんしんせい)」を20世紀半ばからの新たな地質時代とし,2024年にも最終決定しそうである。
人新世は英語で「Anthropocene(アントロポセン)」と呼ばれ,「人類の時代」を意味する。
現代は地球史の中では直近の氷河期が終わった1万1700年前から続く完新世とされてきた。1950年頃から世界人口が急増して人類の活動規模が大きくなり,地球環境に大きな影響を与えていることが地層の分析からわかってきた。
完新世の終わりを1950年代頃とし,それ以降を新たに人新世とするべきだと提案している。
人新世の始まりを地質学的な証拠としてカナダ東部オンタリオ州にあるクロフォード湖の底にある堆積物を選び,その成分に化石燃料を高温で燃やしたときだけ発生する「球場炭化粒子」が50年代に急増していることがわかり,人類のエネルギー消費量が増えたことを示している。