首都圏外郭放水路見学会に参加して
2018年11月02日
地下神殿のニックネームで知られる「首都圏外郭放水路」の見学会に参加してきました。首都圏外郭放水路は、豪雨時に埼玉県東部の中川、倉松川、大落古利根川など中小河川の洪水を地下に取込み、地下50mを貫く延長6.3kmのトンネルを通して江戸川に流す、世界最大級の地下放水路です。平成5年に工事着手、13年近くの歳月を経て平成18年に完成し総工費は約2300億円。しかし平成14年の部分通水から110回(平成29年10月現在)の洪水調整実績があり、試験通水による治水効果は目覚ましく、中川・綾瀬川流域の洪水被害は大幅に軽減されているとのこと。
庄和排水機場内に地底探検ミュ-ジアム「龍Q館」があり、そこで予約した受付を行い、施設の説明や展示資料を見学。その後外に出てサッカ-グランド片隅の小さい小屋に入り、116段の階段を降りると地下神殿といわれる巨大な調圧水槽に到着。地下約22mの深度に作られた長さ177m、幅78m、高さ18mの巨大空間が広がる。また高さ18m幅、幅2m、500tの柱が59本あり、それが天井を支えるとともにこの地域は地下水位が高いため水槽の浮き上がりを防ぐ重しとなっているとのこと。構造物の大きさに、そしてこれらを構築した日本の土木技術力に圧倒されるばかりである。
今まで見学会は、土(月2回実施)・日・祝日は休みで、なかなか予約が取れなかったが、今年8月1日から民間の東武トップツアーズが企画運営し、毎日開催で、1日7回実施。それでも人気で昼過ぎの予約が取り難く、朝早いか午後遅い回がおすすめです。見学会には親子連れも多く、春日井市の小学校では授業で来ているとのこと。このように日本各地にあるインフラを積極的に公開し、その意義をもっとアピールし理解してもらう努力の大切さを感じた。また土木に興味を持ち、将来の土木技術者を目指す子供が増えれば幸いと思った。今各地でインフラツーリズムが行われているが、更に強化進めて欲しいと思いながら「龍Q館」を後にした。