プロジェクト概要
- 調査期間
- :2007年〜2017年
- 調査箇所
- :東京都江東区豊洲
- 調査対象
- : 東京ガス豊洲工場跡地
- 発注者
- : 東京都、建設会社等
プロジェクトフロー
PROJECT STORYプロジェクト紹介
01顧客からの要望
東京都と建設会社からの契約を経て、「豊洲市場建設予定地の土壌汚染を徹底的に調査し、安全な土地として再生したい」との依頼を受けました。この土地は石炭ガス生成の過程で生じた有害物質により汚染されており、移転先としての適正が厳しく問われたため、土壌の汚染状況を明らかにすることが市場移転の第一歩でした。
02調査・提案
まず、過去の地図や資料を丹念に調べ、現場の歴史を紐解きました。汚染の可能性が高いエリアを洗い出し、作業計画を入念に練る日々。世間では築地から豊洲移転への賛否が大きく取り沙汰される中、私たちは「安全な未来を作る」という使命を胸に、調査の準備を進めました。
03現地調査
現地調査が始まった瞬間から続く、張り詰めた空気。移転反対運動の影響で、調査現場を訪れる多くの市民。好奇の目が多数向けられた中で、私たちのチームは協力業者と共にボーリング作業を開始しました。事前調査で把握はしていたものの、土壌を実際に掘り進めると現れる、驚くほどの土壌汚染。この土壌汚染に立ち向かい、正確なサンプル採取を目指す作業は、まさに地道な戦いでした。
04室内分析
採取した土壌サンプルで汚染物質の分析を実施しました。外部の調査機関と連携し、専門的な機器を用いて土壌の成分や汚染度合いを入念に調べ、データを蓄積する。こうした分析は、現地調査だけでは明らかにできない情報を補い、調査結果の精度を高める重要な工程です。
05資料作成
調査で得られた膨大なデータを基に、汚染物質の分布や特性を詳細にまとめ、報告書を作成。当時、資料作成の作業を進める中、常に考えていたのは「社会が私たちに何を求めているのか」ということ。汚染箇所をわかりやすく図示し、説得力を持った改善策を提案する。私たちが提出した「成果物」は、豊洲市場開発を次のステージへと確実につなげました。
06お客様へ報告
完成した報告書を顧客へ提出。汚染物質の特性やリスク、改善策について丁寧に解説することで、高い評価をいただくことができました。これにより、プロジェクトは次段階である浄化工事や建築工事へとスムーズに進んでいきました。
技術力と社会的責任が試される挑戦となった豊洲市場の土壌汚染調査プロジェクト。このプロジェクトへの参加は、現地調査から分析、報告までの一連の作業を通じ、社会に貢献するやりがいや、プロフェッショナルとしての責任を強く実感する機会となりました。汚染調査を経て無事に始まった豊洲市場の建設では、ゼネコンからの依頼の下、引き続き市場建設を行うための地盤調査も担うこととなりました。